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とりあえずローション風呂に二人で入ることになったのだが、滑った拍子に先っぽが入ってしまった!
「おいっ、早く抜け、馬鹿!」
「滑るんだよ……!」
「っ、もういい……おれが……」
大典太の肩に手を置いて、鬼丸が立ち上がろうとするも、やはりローションのぬめりは半端ない。手も足も滑って、抜くどころかずっぽりと奥まで入ってしまったのだ。
「んんっ!!」
「うぐっ……」
のしかかって来る鬼丸の重みと浴槽に挟まれて、大典太は窒息しそうになった。しかし、陰茎を包むのは紛れもなく鬼丸の温もり。自分のあれが鬼丸の中にしっかり入っていることを嫌でも自覚してしまう。きついけど、思ったより柔らかくて、気持ちいい。そのせいで、陰茎は萎えるどころか、バキバキに固くなっている。
「んっ、な、んで……固くしてるんだ……っ」
「仕方ないだろっ……」
「やっ、うごく、な……、ああっ!」
「腰が、勝手に……ッ」
ぬめぬめするけど、腰は何故か動く。鬼丸の中が気持ちよすぎて止められない。
「ひあっ、だめ……、おく、当たって……!」
上擦った、今にも泣きそうな鬼丸の声が、ちゃぷちゃぷと波打つ湯の音と共に耳元へ吹き込まれる。なんて声出してるんだ。そんな声を聞いたら、余計に歯止めが効かなくなる。鬼丸の脇に手を入れて、一度繋がりを解いて立ち上がらせた。そのまま後ろを向かせると、浴槽の縁を持たせ、尻を突き出した格好の鬼丸に再び怒張をねじ込んだ。
「あ、ぁああ!」
ずぷんと再び入れられた雄に、鬼丸は白い背を撓らせる。きれいな背筋の窪みをつ、となぞると中がきゅうと締まった。
「ぁあ、う……、おお、でんた……」
肩越しにこちらを見る鬼丸の顔はすっかり淫らに蕩けていた。先をねだるように白い尻がいやらしく揺れるのを見たら、鼻の奥がツンと痛くなった。興奮が一気に高まって、頭に上る血が沸騰したように熱くて、くらくらする。
「おにまる……っ」
「あっ、あぁ!」
逃げられないように鬼丸の腰をがっちり掴んで、無茶苦茶に中を突き犯した。肌を打つ音と鬼丸のはしたない声が浴室に響く。ここは、いつ誰が来てもおかしくない。それは分かっているけど、もうどうにもならない。何故なら童貞なので止めどころが分からず、突き進むしかないのだ。
「ん、ぁあ、あっ、いい……きもち、いい……っ」
「は……、俺も、きもちいい……あんたの中、最高だ……」
動きを少し緩めて、奥を小刻みに突きながら揺さぶった。すると鬼丸はより淫らな声を上げ、悦びの涙を溢れさせた。
「あぁッ、ん! もう、イッ……、ぁ、でちゃっ……ぁ、あああ!」
貪欲に吸い付いてくる内壁の悦さに引きずられるまま、鬼丸の中に思い切り出した。鬼丸の脚から力が抜けて、その場に崩れ落ちそうになるのを、腹に手を回して支える。足元の湯に白濁がぽたぽたと落ちて、歪な形になったそれは、もろもろと湯の中に溶けていった。 足を動かすと、ぱしゃんと聞き慣れた音がする。
風呂の湯はいつの間にか、普通の湯になっていた。
――というのが、今朝方見た夢だった。妙に生々しかったおかげで、久しぶりに粗相をしてしまっていた。汚れた下着を洗っているときの自己嫌悪感が凄まじく、気分は最悪だった。確かに夢の中で気持ちよかったけど、鬼丸の尻穴で童貞を捨ててしまうとかあり得ないにもほどがある。あり得ないというなら、風呂の湯があんなおかしな液体になるのもそうだ。そんなことあってたまるか。しかし、あり得ないと思っていたことが、その夜の風呂の時間に起こるのである。
「……何だこれ」
薬研から渡された入浴剤を入れたら湯船がおかしな状態になった。湯の質を変えることで保温効果を高め、疲れを取れやすくする……とのことだったが、これは、どう見ても夢に出てきたあの怪しい湯だ。
試しに手にとってすりこんでみるとぬるぬるぬるぬる滑る。確かに保温効果はありそうだが、こんなのに浸かったらどうなるのやら。
(これは……駄目だな……)
湯を増やして希釈すれば、多少ぬめりがマシになるかもしれない、と湯の栓を緩めようとした時だった。
からり、と浴場の扉が開く音がした。ぺたぺたと近付いてくる足音。それを聞いて、急速に高まっていく心臓の鼓動。呼吸が浅くなり、喉に乾きを覚える。恐る恐る、後ろを振り向いた。
(嘘だろ……!)