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テさん:ワケアリで夜の世界で働いてる
デくん:高校生
ある日、テさんの客として連れてこられた男の子デくん。なんか見た目若いな、とよく確認してみると高校生であることが発覚。
高校生は相手にできないと拒もうとするも、お願いしますと食い下がられる。
でも、テさん、マジメだから、高校生は絶対相手にしない(金にもならんから)
デくんの生徒手帳見てお坊ちゃん学校に通ってるのも判明。来るなら高校卒業してから来い、あと数年の間に彼女でもできるだろって追い返す。
自分とは住む世界が違いすぎるから、こっちには来て欲しくないと思っているテさん。
その後、月日は過ぎて、歳も歳だし夜の世界からそろそろ足を洗おうかと思っていた頃、テさんの前に大学生になったデくんがテさんの店に現れる。
「……オマエ、あの時の」
「ああ。約束は守った。だから」
「オイ待て。高校卒業したのはわかったが、金は持ってるのか。タダじゃねぇぞ」
「金なら」
ほら、とデくんが懐から出した分厚い封筒。確かこいつ金持ちお坊ちゃんだったよなと思いながら
「——親の金か?」
と訊くテさん。親のカネ使ってするような「遊び」ではない。親金なら追い返すつもりでいた。
「違う。大学に入ってから、バイトして稼いだ金だ」
「……」
芯のある口ぶりから、彼の言うことが嘘ではないと何となくわかる。断る理由もなくなってしまったテさんは、デくんを受け入れることに。
数年分の情をぶつけられたこの夜は、色んな意味で忘れられないものとなった。
とんでもない奴に好かれてしまったと思うけど、何故か悪い気はしていない。
お金に関しては額が多すぎたので、適正料金だけ貰って、あとはデくんに返しました。