Pinned Post
「さっきも別の警察官から職質されたばかりなんだがな」
と男に眉を顰められて、少し気まずい雰囲気になる。職質と所持品検査で特に怪しいところはなかったので終了。解放された男は雑踏に消えていった。
その後も、巡回してたらやっぱりフラフラしてるのよく見かけるので「何者なんだ」と思うけど、見た目が怪しい以外にこれといった物証がなかったので特に関わらず。その日以降、男の姿を巡回エリアで見かけることはなかった。
ある日、勤務終わってから(翌日休み)何となく一人で初見のバーに入ったら、カウンターにあの日見かけた怪しい男が座っていた(職業柄一度関わった人間の顔体型声は覚えているデくん)。向こうもこっちに気付いて、話しかけてくる。
「今日も職質しにきたのか?」
「違う。たまたまこの店に入っただけだ」
話しかけられて面倒だなと思いつつ、適当に一杯注文。飲んでたら男が絡んできて、身分を知られている以上、ガン無視するのもアレなので、適当に付き合ってやることに。男は話上手の聞き上手で、(詐欺師ってこういう奴なのでは?もしくは宗教か?)と職業病発動するも、話ししてるうちに、何だかいい気分になってて、お酒結構飲んでた。酔いが回ってぼーっとしてると、ふと男が色っぽく微笑って
「上に行くか?」
と言ってきた。
「上……?」
「オレの部屋」
ガタッ
ベッドへのお誘いだと気付けいたときには、身体勝手に動いてた。男の部屋でワンナイトセックス♡完遂。酒も飲んでるし男相手に勃つのかと思ってけど、しっかり勃ったし、一回じゃ足りなくて三回(多分)した。男の身体はどこもかしこもつるつるで、とてもエロかったし、リードされながらの初アナルセックスは熱くてキツくて最高だった。
翌朝、頭は二日酔いでガンガン。酷い頭痛に呻りながら、面識もあまりない人間とこんなことしてよかったのだろうかと自問ネガティブモードに突入してたら、先に起きてた男が
「おはようさん」
とミネラルウォーター持って来てくれた。
バスローブ姿とほのかなソープの匂いに昨夜のことが現実だったのだと改めて思い知らされるデくん。礼を言って渡されたボトルを開けると半分ほど一気に飲んだ。
「今日は休みか?」
「あ……はい」
「……残念な知らせだ。今しがた五番通りで大規模な爆発と火災が発生した。じきに招集がかかるだろう」
「……え?」
「これから忙しくなる。酔いはしっかり覚ましていけ」
急に雰囲気変わった男を見て、どくどくと嫌な感じで心臓が脈打ち始める。
「……何故あなたがそんなことを」
「オレもオマエと同じ立場の人間だからさ」
「……!!」
脱ぎ散らかされた服の中から雑に取り出されたのは警察官のバッジでしかも階級は自分よりもかなり上だった。酔いは完全に覚めた。一分くらいで身支度して現場へ向かった。
そんなことがあって一週間ほどたった頃、デくんが所属する署に男が赴任してきて以下略。
書いてて下半身がだらしねぇ警察官だなと思いました。